技術だけでは十分ではない
現在と未来の人々を幸せにする技術を実現するためには，技術者が単に技術的に優れているだけでは不十分であって，人間や環境に対する深い理解が必要です。また，現代のグローバル化した世界で，技術者として活躍するためにも，技術的な能力のみならず，人間的な能力が不可欠です。つまり，技術だけでは十分ではないのです。本学の丹羽保次郎初代学長は，本学のモットーとなった「技術は人なり」という言葉で，学生に技術以外の事柄も学び，自分を高めるように促しました。その考えを受け継ぎ，人間科学系列では，以下のような教育理念を掲げて教育を行っています。
人間科学系列の教育目標と理念
社会で生きるための豊かな知識・教養を身に付けることは，工学系の専門技術者にとっても重要である。とりわけ，技術者としての倫理，技術および技術者の社会にとっての意義などは，今後のよき社会人としての技術者の養成に必須の事項である。人間科学系列は，技術者に必要な，豊かな教養の習得と基礎的な訓練による人間的な力の向上を教育の理念とする。具体的な目標は，工学系の専門技術者として，基礎的な理解力，表現力を訓練するとともに，こうした技術者に必要な人文科学，社会科学，融合分野を習得させることである。このため，(1)心身の健康管理，文章表現訓練と論理的な思考向上，プレゼンテーション訓練などを基礎科目として提供するとともに，(2)幅広い実用知識を含む人文社会科目，外国理解科目を置き，さらに，(3)選択必修科目として，技術者のために特別に準備されたSTS（技術者教養）科目を提供する。
これを図解すると次のようになります。
